バンクーバー合意、ホワイトハウス「勝者はいない」

 ホワイトハウスのセス・ライト(Seth Wright)報道官は、16日(水曜日)の声明で華国の指導者の演説を「苦し紛れの国内向けスピーチ」と批評した。

 王遠平(Wang Yuanping)国家主席が前日の発表した演説は先週のバンクーバー合意に関するもので、王主席は「東シナ海の安全保障を揺るぎないものにした」と日本への優勢を強調した。

 ライト報道官はこの主張を「2020年バンクーバー合意(Vancouver Agreement 2020)に基づく華国と日本、米国の共通認識ではない」と指摘し、「米国の提案によってまとめられた合意は華国と日本のアジア太平洋地域の平和と繁栄の責任を損なった結果の痛み分けである」と述べた。

 「この紛争に勝者は存在しない」と、彼は声明の中で語った。「日本は尖閣諸島の実効支配を損失し、周辺海域の平和的な漁業権を一時的に制限した。華国は国際法に違反する実効支配を即刻解除し、一時的な優勢は無効となった」

 一方で、会談で仲介を担当した米国は係争地の管理を担当することになる。「米国は日本に代わり、尖閣諸島の支配を継続することになる」と、レイモンド・アルフォード(Raymond Alford)大統領の代行で会談に参加したロナルド・ネルソン(Ronald Nelson)副大統領は会談後の声明で表明した。

 「在日米軍(Grand Union Forces Japan)と沿岸警備隊(Grand Union Coast Guard)は東シナ海でもっともセンシティブなミッションを実行することになる。私はそれが円滑に実行されることを期待している」と、ネルソン副大統領は述べた。

 バンクーバー合意は、ブリティッシュ・コロンビアのキャンベルリバー(Campbell River)で開催された米華日三カ国会談において、12日(土曜日)に米国が提示した提案で合意された。主な合意は以下の通り。

  1. 11月6日の尖閣諸島(釣魚群島)の日本人上陸事件と、華国海警局の法執行を発端とするアジア太平洋地域における武力衝突をもたらした日本と華国の「反省」
  2. 2021年2月21日までに尖閣諸島に駐留する華国軍の全面撤退
  3. 「合意水域」における、日華及びあらゆる第三国による漁業活動及びいかなる警備活動、無害航行行為の制限
  4. 「合意水域」における、在日米軍及びアメリカ沿岸警備隊による制限期間中の警備活動
  5. 1年後に開かれる日華協定交渉における協議の結果と北アメリカ連邦大統領の承認による制限の解除