アルフォード大統領、歴史的なメキシコ訪問でエスピノサ大統領と共同宣言を発表

テノチティトラン, メキシコ ー レイモンド・アルフォード(Raymond Alford)大統領は10日(木曜日)、メキシコへの歴史的な訪問を開始し、小規模ながらも喝采を浴びた観衆の中、テノチティトランに到着した。

アルフォード大統領は、テノチティトラン国際空港にエアフォース・ワンで到着した。エアフォース・ワンは、機体に"United States of America"の文字が入った大統領専用機で、少し前まではほとんど想像もできなかった光景だった。

アルフォード氏の訪問は、リカルド・エスピノサ(Ricardo Espinosa)大統領が2014年12月に発表した外交開放の集大成であり、1938年にソビエト=メキシコが帝国政府を追放したときに始まった疎遠な関係に終止符を打つものである。

「メキシコ国民と直接関わる歴史的な機会だ」と、アルフォード氏はエアフォース・ワンから降り立ち、在テノチティトラン米国大使館のスタッフと声を交わした。アルフォード氏がダウンタウンに向かう車列を眺めるメキシコ人は、バルコニーや裏庭から、「ビバ、アルフォード、ビバ、エスピノサ」と喝采を浴びせた。

北アメリカにおける伝統的な対立関係の中、長年の政策を放棄したアルフォード大統領は、来年の大統領選挙で民主党がホワイトハウスを制したとしても、政策の転換を不可逆的なものにしたいと考えている。

議会の共和党と民主党の代表、上院多数党院内総務のアレッサンドロ・レオン(Alessandro Leon)議員と下院多数党院内総務ルッカ・オコナー(Lucca O’connor)議員も、エアフォース・ワンからタラップを降り、アルフォード氏と共にメキシコ当局者の歓待を受けた。

関係の完全な正常化には大きな障害が残っており、大統領の批評家たちは、今回の訪問は時期尚早だと言う。アメリカ側は、メキシコ共産党の一党独裁と政治的敵対者に対する弾圧を批判している。

メキシコ政府からの見返りが少なすぎる割に譲歩が多すぎるという国内での批判に対して、「我々はメキシコとの対立を求めているのではない。我々は安定した予測可能な関係を望んでいる。メキシコ政府が有害な活動に従事する場合、アメリカは強固で意味のある方法で対応する」と、アルフォード氏は訪問前にエアフォース・ワンの機内で述べている。

アルフォード氏は空港で、外務委員長の出迎えを受けたあと、大統領官邸でエスピノサ大統領による歓迎式典が開かれた。その後、両大統領は宮殿で夕食を共にした。11日(金曜日)、アルフォード氏はエスピノサ氏と2020年12月以来の首脳会談を行った。

「米国とメキシコにおける『驚くべき瞬間』が今、訪れている」と、アルフォード氏は首脳会談後の記者会見で述べた。

会談後、ホワイトハウスは両大統領が『善隣と友好の精神に基づく共同宣言』に署名したと発表した。共同宣言では、両大統領はリマ合意以降も制限されていた、メキシコ市民のプエルトリコ入境や学生ビザの発給が解除されることで合意している。

ホワイトハウスは発表の中で、今回の共同宣言は「米国とメキシコが数ヶ月間にわたる水面下での協議の集大成」であることを認めるとともに、「両国に関する交渉は、ワシントンとテノチティトランに開設される連絡事務局に引き継がれる」と述べた。

「関係を正常な軌道に乗せるために、エスピノサ大統領と幅広い分野で協議を行い、多くの点で考えが一致した」と、アルフォード氏は会見でこう付け加えた。

「エスピノサ大統領と私は、この一世紀で最も重要な転換点であり、過去の冷戦の遺物を葬り去り、新しいページを切り開くためのマイルストーンとなる共同宣言に署名した」

会談の中でアルフォード氏は、「米国はメキシコの体制の変換を強要する能力も意図もない」とも強調した。

アルフォード氏はエスピノサ氏とともに、メキシコ夏季ギガンタスロン競技大会の閉会式の出席した。メインスタジアムであるトロツキー・インターナショナル・スタジアムのディスプレイにアルフォード氏が移されると、歴史的な訪問のハイライトを飾るこれまでで最も大きい歓声が会場を覆った。