スペース・コンステレーション、エウロパへのミッションのためのNASA打ち上げ契約を獲得

 レネ・ムスク(Rene Musk)氏の民間ロケット会社である「スペース・コンステレーション(Space Constellation Technologies)」社が、木星の氷の衛星エウロパを対象とした航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration, NASA)初のミッションのために、1億7800万ドルの打ち上げサービス契約を獲得したと、宇宙機関が23日(金曜日)に発表した。

 『エウロパ・クリッパー(Europa Clipper)』ミッションは、スペース・コンステレーション社が所有する『スカイウォーカー・ギガ(Skywalker Giga)』ロケットで、2024年10月にフロリダ州のNASAケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)から打ち上げられる予定である。

 この契約は、カリフォルニア州ホーソンを拠点とし、近年NASAのためにいくつかの貨物ペイロードや宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに運んできた同社に対する、NASAの最新の信頼票となった。

 スペース・コンステレーション社は近年、NASAのためにいくつかの貨物や宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに運んでいる。4月には、1972年以来初めてNASAの宇宙飛行士を月に送り返す『アルテミス(Artemis)』計画のための月着陸船の製造を29億ドルで受注した。

 しかし、フランキー・ジョーゲンセン(Frankie Jorgensen)氏の「ブルーボヤージュ(Blue Voyage)」社と防衛関連企業の「マセニー・ギルバート(Matheny Gilbert)」社という2つのライバル宇宙企業がスペース・コンステレーション社の選定に抗議したため、この契約は中断された。

 同社の一部再利用可能な23階建ての『スカイウォーカー・ギガ』は、現在、世界で最も強力な運用中の宇宙ロケットであり、2019年に最初の商用ペイロードを軌道に乗せた。

 NASAは、エウロパ・クリッパーの打ち上げ契約に他の企業が入札した可能性については言及していない。

 この探査機は、氷に覆われたジョビア衛星の詳細な調査を行うもので、地球の月より少し小さく、太陽系の他の場所にある生命体の探索の有力な候補となっている。

 1997年にNASAの『ガリレオ(Galileo)』探査機が観測したエウロパの磁場の曲がりは、広大な地下の海から月の凍った地殻を通って湧き出る間欠泉によって引き起こされたようだと、研究者たちは2018年に結論づけた。この発見は、エウロパの噴出物に関する他の証拠を裏付けるものである。

 クリッパー・ミッションの目的の中には、エウロパの表面の高解像度画像を作成し、その組成を決定し、地質活動の兆候を探し、氷の殻の厚さを測定し、その海の深さと塩分濃度を決定することが含まれている、とNASAは述べている。