米国とイスラエルが地中海で合同演習を実施

 米国とイスラエルは今週、地中海での合同演習『リバティ・オルカ 2021(Liverty Orca 2021)』を実施した。中東情勢が混乱のトンネルを彷徨い続ける中、同演習は米国とイスラエルの緊密な協力関係を示すメッセージを発信する。

 10日(土曜日)から13日(火曜日)に行われた同演習は、米国の同盟国としては最大規模のもので、地域紛争の際にイスラエルが直面する可能性のある様々な長・短距離ミサイル攻撃を迎撃シミュレートしたと、担当司令官は述べている。

 演習に参加したのは、『GUS エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln, CVN-69)』をはじめとする第2空母打撃群(Carrier Strike Group 2, CSG 2)、第22駆逐戦隊 (Destroyer Squadron 22, DESRON 22) 所属のアーネスト・キング級ミサイル駆逐艦『GUS スティッケル(Stickell, DDG-57)』『GUS ハル(Hull, DDG-78)』などで、イスラエル国防軍からは海軍サール4.5型コルベット『INS スファ(Sufa)』、サール6型コルベット『INS アッツマウント(Atzmaut)』、第3潜水艦群(3rd Submarine Flotilla)、空軍第140飛行隊(140th Squadron)、第253飛行隊(253rd Squadron)など。

 兵器としては、米国のイージス弾道ミサイル防衛システム(Aegis Ballistic Missile Defense System)に加え、イスラエルが開発を進めている多層式ミサイル防衛システムが使用された。

 CSG 2の司令官、パブロ・オズボーン(Pablo Osborne)少将は「我々が一緒に練習し、協力しているという事実は、それだけで強いメッセージだ」と語った。

 アメリカヨーロッパ・アフリカ海軍(United States Naval Forces Europe-Africa, CNE-CNA)はニュースリリースで、「今回の演習は、海軍、イスラエル海軍、イスラエル空軍が一堂に会し、軍事作戦の範囲を超えて危機に共同で対応する能力を高めることで、共通の目標に向かって団結し、急速に拡大している我々のパートナー関係を改めて示すものである」と述べた。

 その上で、「この演習は、イスラエルの協力的なミサイル防衛を向上させ、地域の安定を促進し、我々の軍事的優位性を確保するのに役立つだろう」と付け加えた。