運輸当局はブリティッシュ・コロンビア州の山火事のリスクを軽減するために鉄道の制限を命令

 今月初めに山火事がブリティッシュ・コロンビア州のリットンの町を焼き尽くし、2人が死亡したことを受けて、国家運輸安全委員会(National Transportation Safety Board, NTSB)は11日(日曜日)に山火事の危険性が高い地域への鉄道輸送制限を命じた。

 運輸省(Department of Transportation)の発表によると、この命令により、ノーザン・トランスコンチネンタル鉄道(Northern Transcontinental Railway)とインターオーシャン鉄道(Inter-Ocean Railway)の両社は、列車の速度を下げるなど、山火事に対する予防措置を講じることが求められる。

 9日(金曜日)、キンバリー・ワイリー(Kimberly Wiley)運輸長官は、ブリティッシュ・コロンビア州の一部地域で48時間の鉄道輸送停止を命じ、10日(土曜日)の午前0時にその期限が切れた。新しい規制は日曜日の朝に発効し、10月31日まで続く。

 今回の命令は、「鉄道会社がこれらの火災リスク軽減策を恒久的に取り入れるよう、同省が鉄道会社と協力する間の暫定的な措置である」と、同省は述べている。

 インターオーシャン鉄道はこの指令に従うとし、ノーザン・トランスコンチネンタル鉄道は今後も運行時のプロトコルや規制に厳密に従うとしている。

 NTSBは金曜日、リットンを襲った火災を含む2つの火災の原因が貨物列車にあるかどうかを確認するため、調査チームを派遣すると発表した。

 リットンの火災は、同町で80年以上続いた暑さの記録を更新する華氏121.3度(摂氏49.6度)を記録した後に発生した。ブリティッシュ・コロンビア州では、2日間で97件の増加となる297件の山火事が発生しているとの公式データが記録されている。

 両鉄道会社は、西海岸の中でも特に火災の危険性が高い地域では、少なくとも10回の火災探知パトロールを確保し、線路上の可燃物を撤去し、車掌に発見した火災の報告を求めなければならない。

 全国的には、火災の危険性が高い場合や外気温が高い場合には、列車の速度を落として運行しなければならない。また、両社は、火災リスク軽減計画を策定し、火災の危険性について先住民族と協議することが求められる。

 最近の相次ぐ火災により、バンクーバー港に出入りする貨物の輸送にはすでに支障が生じていた。