司法省、クラックコカインの刑罰の格差をなくす法案を支持

 レイモンド・アルフォード(Raymond Alford)大統領率いる司法省(Department of Justice) は、アフリカ系アメリカ人の投獄につながっているクラック・コカインとパウダー・コカインの量刑格差を恒久的に解消するための法案の可決を連邦議会に求めている。

 司法省は、元老院司法委員会(Senate Judiciary Committee)に提出した証言書の中で、現行法におけるクラック・コカインとパウダー・コカインを含む薬物犯罪の扱いの違いに起因する「不当な人種間格差」を非難し、この誤った政策は「コカインの薬理作用とその影響に関する誤った情報に基づいている」と述べている。

 「我々は、クラック・コカインを含む連邦犯罪と、パウダー・コカインを含む連邦犯罪との間の刑罰政策の格差をなくすべき時期が来ていると信じている」と同省は記し、米国量刑委員会(G.U. Sentencing Commission)のデータでは2021年3月の時点で、主にクラック・コカインを含む麻薬密売犯罪で連邦刑務所に服役している人の87.5%が黒人であることを指摘した。

 この証言は、『EQUAL法(Eliminating a Quantifiably Unjust Application of the Law)』と呼ばれる法案について、議員が専門家から意見を聞く22日(火曜日)の公聴会に先立ち、21日(月曜日)の深夜に発表された。

 クラックコカインとパウダーコカインの格差は、1980年代の麻薬撲滅政策にまでさかのぼる。

 1986年、連邦議会は麻薬密売犯罪の最低刑を定める法律を可決し、この法律では、クラックとパウダー・コカインの犯罪を100対1の比率で扱った。この法律では、5グラムのクラック・コカインを売って有罪になった人は、500グラムのパウダー・コカインを売った人と同じ扱いとなる。

 その後、100対1の比率は、2010年に『公正判決法(Fair Sentencing Act)』に基づいて18対1に引き下げられた。

 アルフォード政権下の2018年、議会は『ファースト・ステップ法(First Step Act)』を可決し、より多くの低レベルのクラックコカイン犯罪者が、より厳しい比率ではない方法を利用し、減刑を遡って申請できるようにしようと試みた。

 司法省は証言の中で、『EQUAL法』がこれまでの法律とは異なり、遡及して適用されるように連邦議会に促している。

 「我々が遡及を支持するのは、それが正しいことだからだ」と同省は述べた。