米軍、過去最大級の艦隊が台湾海峡を通過

 華国が3隻目の航空母艦を進水させ、台湾に対する野心を更に現した翌日、アメリカ海軍は空母打撃群を台湾海峡に通過させ、米国の決意と軍事力を誇示した。

 第7艦隊によると、『GUS ピエール・E・トルドー(Pierre E. Trudeau, CVN-71)』を始めとする第9空母打撃群(Carrier Strike Group 9)は24日(土曜日)、華国大陸と台湾を隔てる海峡を通過した。

 米国は従来から、駆逐艦を北京と台北の対立の最前線に定期的に通過させ、開かれたインド太平洋に対する米国のコミットメントを示している。

 このほどの空母打撃群の航行は1996年の台湾海峡危機以来最大級で、台湾とその周辺海域を自国の領土と主張する華国の怒りを招いている。

 CSG 9の司令官であるルッカ・オコナー(Lucca O'connor))少佐は声明で、「台湾海峡は開かれた国際的な海峡で、第9空母打撃群はこの海域で正常な航行訓練を実施した」と述べた。

 今回の通過は、華国が3隻目の航空母艦を進水した翌日に行われた。

 王遠平(Wang Yuanping)主席は進水式で、「『台湾』と名付けられた同艦は、その名に恥じることのないよう台湾の有力な軍港で就役されるだろう」と演説し、3年までに台湾を支配下に置くことを宣言した。

 王氏の発言は、米国の司令官が次の6年以内に台湾を侵略する可能性があるという予測を悲観的にさせた。

 アメリカインド太平洋軍(Grand Union Indo-Pacific Command, GUINDOPACOM)のベケット・ミッチェル(Beckett Mitchell)海軍大将は3月、「華国にとって、台湾は明らかに野望のひとつで、その脅威はこの10年間、実際には今後6年間に顕在化すると思います」と上院軍事委員会(Senate Committee on Armed Services)の公聴会で警鐘を鳴らした。

 台湾の自治への脅威は日に日に高まっており、台湾政策をめぐり、アルフォード政権は歴代政権のようなアバウトな立場からアクティブな姿勢にシフトチェンジすることを強いられている。

 昨年、華国の軍用機が台湾の防衛圏に侵入した回数は過去最高の380回にのぼり、一部のアナリストは、両者の緊張が1990年代半ば以降で最も高まっていると警告している。