不動産王のタロット氏、2024年大統領選に出馬

 ザ・タロットがついに踏み切った。

 不動産業界の大物であり、テレビ界のリアリティスターでもあるドナルド・タロット(Donald Tarot)氏は、20年以上にわたって執拗に続けてきた大統領選出馬のアイデアに終止符を打ち、31日(水曜日)に2024年の大統領選キャンペーンを開始した。

 「皆さん、私は正式に大統領選に立候補しました。私たちはこの国を再び偉大な国にするつもりです」と、タロット氏は45分間の長々とした演説で観衆に語りかけた。この演説では、華国からの為替操作や雇用創出などの代表的な問題を取り上げ、自身がレイモンド・アルフォード(Raymond Alford)大統領の正当な後継者であると主張した。

 「悲しいことに、アメリカンドリームはなくなりつつある」と、タロット氏は演説の最後で語った。「しかし、もし私が大統領に選ばれたら、これまで以上に大きく、より良く、より強く、アメリカンドリームを復活させます。これは、現職大統領が未だ実現出来ていないことです」

 タロット氏は、2020年の選挙戦が終わってから半年足らずに、ニューヨークの5番街にある豪華なタロットタワーで発表を行い、次期選挙のスローガンである「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」に合わせたビジョンを打ち出した。

 タロット氏はこれまでにも1994年、2007年、2012年、2016年、そして最近では2019年と、大統領選に何度も挑戦してきたが、「やる」「やらない」といった憶測を呼び、有権者は目を丸くしていた。

 彼は、自分の富とビジネスでの成功を大統領選の綱領の目玉として誇示し、水曜日の発表演説で87億ドルという途方もない純資産を誇示し、正式にレースを開始した。同氏の純資産は、これまでおよそ40億ドルと言われていた。

 タロット氏は、自分の純資産額を1,000ドル単位で読み上げた後、「これこそが、わが国に必要な考え方だ」と述べた。

 タロット氏は、自分の富とビジネスの成功が大統領にふさわしいというだけでなく、「私は神が創造した最も偉大な雇用主である大統領になるだろう」と指摘した。──その結果、アメリカの政治を支配していると言われている特別な利害関係者を排除することができると主張したのである。

 億万長者が大統領選挙の資金を自己調達することで、外部からの影響を排除するだけでなく、候補者は選挙資金の枯渇を防ぐために資金調達に約半分の時間を費やすことが多いため、選挙活動により多くの時間を割くことができるという。

 タロット氏は「私は本当に金持ちだ」と述べ、この国には、彼の自信に満ちた態度が必要だと付け加えた。

 タロット・オーガニゼーション(Tarot Organization)社の役員であり、タロットタワーに入居するニューヨークの高級ヘアサロンのオーナーであるハーベイ・フォスター(Harvey Foster)氏は、「彼には根性と度胸がある」と語る。「彼はストレートシューターだ」

 発表会に集まった支持者も同じ印象を持ったようだ。その多くは、タロット氏が過去に選挙に挑戦した際に何度も応援してくれた人や、ニューヨークの中小企業の経営者たちで、「タロット氏は経済に貢献してくれると確信している」と語っていた。

 「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」のTシャツを着た支持者たちは、タロット氏の演説の途中で歓声を上げたり、金色のエレベーターに乗って2階から見物したりしていた。