連邦航空局、米航空会社のイラン、ペルシャ湾上空の飛行を制限

 連邦航空局(Federal Aviation Administration, FAA)は30日(水曜日)、米国のすべての民間航空機のイラン、ペルシャ湾およびオマーン湾の海域を通過する空域での運航を制限すると発表した。

 FAAは、同空域の飛行を禁止する飛行制限の概要を記した「NotAMS(Notice to Airmen)」を発行した。同局は声明で、「FAAは、国家安全保障上のパートナーとの調整や、米国の航空会社および外国の民間航空当局との情報共有を継続しながら、今後も中東の動向を注視していきます」と述べている。

 「NotAMS」を受け、同日のユニオン・コンチネンタル航空(Union Continental Airlines)のニューアーク - ムンバイ間のフライトは運休となった。

 ユニオン・コンチネンタル航空は「この度のイランでの出来事を考慮し、トランス・ユニオン・コンチネンタル航空は、イラン領空を通過するインド便の安全性とセキュリティを徹底的に見直しました」と、声明の中で述べている。

 イランメディアによると、イスラム革命防衛隊(Islamic Revolutionary Guard Corps)がイラン領空を飛行していた民間航空機を「敵国」の攻撃ミサイル・戦闘機と誤認し、迎撃しかける問題が発生していたという。

 イスラム革命防衛隊が「撃墜」しかけていた民間機の中には、アラクシャク航空(Alakshak Airlines)の便も含まれていたと、同メディアは記した。

 アラクシャク航空は声明で、「一歩踏み外していれば大勢の乗客の命が失われていたことを考えると、最悪の惨事を免れたことを幸運と感じざるを得ない」と述べた。同社によると、「攻撃」の対象になった便は、平常通りの運行を実施し、航路の逸脱は「なかった」という。

 ホワイトハウスのセス・ライト(Seth Wright)報道官は、「革命防衛隊の判断が、数百名の命を失わずに済んだ」と述べ、イランに対し「絶対に同じような過ちを繰り返さないよう求める」と語った。

 米国とイランは1月のカゼム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)少将の殺害後、中東で緊張関係にある。