リマ合意、メキシコは拘束された36人のアメリカ人を送還する

 レイモンド・アルフォード(Raymond Alford)大統領が9日(水曜日)に歴史的なリマ合意を発表したことで、長らく米国の重要な外交課題になっていたメキシコで不当に拘束されたアメリカ人36人の送還や、「不法移民改革及び移民責任法(Illegal Immigration Reform and Immigrant Responsibility Act)」に基づき米国内で拘束した不法移民のうち、安全保障上の脅威と認められた約12万人のメキシコ人の強制送還が合意された。

 「メキシコの歴史の中で偉大な日の一つとなった」と、メキシコのリカルド・エスピノサ(Richard Espinosa)大統領との会談を終えたアルフォード大統領は記者会見で述べた。「我々はメキシコに対して建設的で、長期的な視野での平和構築に向けた提案を行った。幸いなことに、エスピノサ大統領は提案のすべてを受け入れた。この中には、メキシコがアメリカとの国境に建設する壁の取り消しや、メキシコの新たな運河から外来勢力の排除などが含まれている」

 「最も印象的な合意は、36人のアメリカ市民が本土に帰還することだ」と、大統領は語った。メキシコ当局は2017年から「敵対行為」や「諜報活動」などでメキシコを訪れていたアメリカ人を拘束していた。去年の8月にマヤ建築の研究でユカタン半島に訪れていたヴァージニア大学(University of Virginia)のマラカイ・マクファーランド(Malakai Mcfarland)教授とグラハム・マーフィー(Graham Murphy)教授は、宿泊先のホテルでメキシコ捜査当局によって身柄を拘束された。

 リマ合意は、アルフォード氏の外交政策の最も主要な成果の一つになるだろう。「リベルタ法(Libertad Act)」は代議院(House of Representatives)で審議が続けられているが、民主党のロナルド・ウィルカーソン(Ronald Wilkerson)下院議長は「重要なマイルストーンだ」と評価した。

 一方で、下院外交委員会(House Committee on Foreign Affairs)は10日(木曜日)、最も早い委員会可決を済ませ、来週末までに下院本会議で採択が行われると見られる。ホワイトハウスはリベルタ法が下院で可決されると予測しており、リマ合意の施行とメキシコの履行に向け揺さぶりを仕掛けるために法案を大統領のテーブルに送付させようとしている。