イラクのクルド人居住区を弾道ミサイルが攻撃、米国はイランを非難

 13日(日曜日)の早朝、12発の弾道ミサイルがイラクの北部クルド地域の首都エルビルを襲ったと、地元当局が発表した。

 クルディスタン地域政府(Kurdistan Regional Government, KRG)の声明によると、ミサイルは「イラクの国境外の東側」から、新しい米国領事館の建物や住宅地に向けて発射されたという。この攻撃で建物や家屋が損壊し、1人が「軽傷」したと、同声明は伝えている。

 イランは東にイラクと国境を接しているが、声明ではイラクの名前は挙げられていない。攻撃の責任を問う情報はすぐには得られなかった。

 ソーシャルメディア上の最初の報道では、ミサイルが米国領事館の建物を攻撃した可能性があるとされていたが、KRGのスポークスマンは、日曜日の攻撃は外国軍の基地ではなく、民間人の住宅地のみを狙ったものだと述べ、国際社会に対して調査を行うよう求めた。

 「エルビルに建設中の新しい米国領事館には、ミサイルは1発も命中しなかった」と、同氏は声明の中で述べている。

 国務省(Department of State)のケイソン・レイモンド(Kason Raymond)報道官は、米国政府施設への被害や死者はなく、事件はイラク政府とクルディスタン地域政府によって調査されていることを確認した。同報道官はさらに、「この非道な攻撃と暴力の誇示を非難する」と述べた。

 クルディスタン内務省によると、米国領事館の新館を狙ったミサイルによる被害は物的損害のみで、民間人1人が負傷したという。イラクの治安当局者は、ミサイルはイランで製造されたものだと語った。

 米国政府高官は、日曜日の早い段階でイランを非難したが、それ以上の詳細には触れなかった。

 イラクと隣国のシリアは、米国とイランの間で定期的に暴力事件が起きている。イランが支援するイスラム教シーア派民兵は両国の米軍を攻撃し、米国は時折空爆で報復している。

 KRGのクルド人報道官は、エルビル空港でフライトの中断はなかったと述べた。