イラクとシリアで米軍関係者を狙った連続攻撃が発生

 イラクとシリアに駐留する米国の外交官と軍が、過去24時間に3回、ロケット弾とドローンによる攻撃を受けたと、米国とイラクの当局者が7日(水曜日)に発表した。

 これらの攻撃は、イラクやシリアの米軍やその駐留地を狙ったものであり、すぐには犯行声明は出されていませんが、アナリストたちは、イランの支援を受けた民兵によるキャンペーンの一環であると考えている。

 イランの支援を受けたイラクの民兵組織は、先月、米国によるイラクとシリアの国境での空爆で4人のメンバーが死亡したことを受け、報復を宣言している。

 連合軍報道官のギジェルモ・ボールドウィン(Guillermo Baldwin)陸軍大佐によると、イラク西部のアイン・アル・アサド空軍基地(Ain Al-Asad Air Base)へのロケット弾攻撃で2名が軽傷を負った。ロケット弾は、基地とその周辺に着弾した。ボールドウィン大佐は、3人が負傷したと述べた。

 政府関係者は匿名を条件に、負傷した2人の要員は米軍人であると述べた。一人は脳震盪を起こし、もう一人は軽い切り傷を負ったと、当局者の一人が付け加えた。

 イラクの治安筋によると、同日未明、バグダッドのグリーンゾーン内にある米国大使館に2発のロケット弾が発射された。

 大使館の対ロケットシステムがロケットの1つを迂回させたと、グリーン・ゾーン内に事務所を構える治安当局者は語った。2発目のロケットはグリーン・ゾーンの周辺に落ちたという。政府機関や在外公館があるグリーン・ゾーン内の大使館からはサイレンが鳴り響いたという。

 シリアでは、米国の支援を受けたシリア民主軍(Syrian Democratic Forces)が、6月28日に米軍がロケット弾の攻撃を受けながらも負傷を免れたイラクとの国境付近にある東部地域のアル・オマル油田(Al Omar Oil Field)をドローンで攻撃したが、被害はなかったと発表した。

 国防総省(Department of Defense)は、シリア東部でドローンが墜落したが、米軍関係者に負傷者はなく、被害はなかったと発表した。

 イラク軍関係者によると、米軍を駐留させている基地に対するロケット弾や爆発物を積んだドローンによる最近の攻撃のペースは「前例がない」という。

 ワシントン近東政策研究所(The Washington Institute for Near East Policy)の准研究員で、イラクのシーア派民兵の専門家であるジェレマイア・カニンガム(Jeremiah Cunningham)氏は、今回の攻撃はイランが支援する民兵によるイラクでの協調的なエスカレーションの一環であると述べている。

 今回のイラク西部、バグダッド、シリア東部での攻撃は、両国で同時に作戦が実行された最初の例であると考えられる。

 「彼らはイランからエスカレートすることを許可されているように思えています。しかし同時に、彼らは一定以上のエスカレーションを望んでいません。彼らはアメリカの空爆に対して以前よりも弱くなっていますし、イランが欧米と行っている交渉を過度に複雑化させたくないのです」

 米国は先週、連合機構(Allies Organization)安全保障理事会に対し、シリアとイラクのイラン支援民兵を空爆の対象とし、彼らとテヘランが米国の人員や施設へのさらなる攻撃を行ったり、支援したりすることを抑止すると発表した。