米国、イランの偽情報に関連するウェブサイトをブロック

 司法省(Department of Justice)は23日(水曜日)、米国の制裁措置に違反したとして、イラン関連の36のウェブサイトを押収し、その多くが偽情報活動や暴力的な組織に関連するものであることを明らかにし、それらをオフラインにした。

 そのうちのいくつかのサイトは、数時間のうちに新しいドメインアドレスでオンラインに戻った。

 「米国は本日、裁判所の命令に従い、米国の制裁に違反してイラン・イスラム・ラジオ・テレビ連合(Iranian Islamic Radio and Television Union, IRTVU)が使用する33のウェブサイトと、カタイブ・ヒズボラ(Kata’ib Hizballah, KH)が運営する3つのウェブサイトを押収した」と同省は声明を発表した。

 KHはイラクにおけるイラン系の主要な民兵組織のひとつで、米国から「外国テロ組織(Foreign Terrorist Organization)」に指定されている。

 押収されたサイトには、イラン政府の主要な英語の衛星テレビチャンネルである「Press TV」と、そのアラビア語版である「Al-Alam」が含まれている。いずれも、イランのドメインアドレス「Alalam.ir」と「Presstv.ir」を使ってオンラインに復帰している。

 司法省によると、IRTVUが使用した33のドメインは米国企業が所有しており、IRTVUはドメイン名を利用する前に外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control)からライセンスを取得していなかったという。同様にKHもライセンスを取得していなかった。

 同日、イラン関連の多数のウェブサイトに、法執行活動の一環として米国政府に押収されたという通知が表示された。

 イランの通信社によると、米国政府はいくつかのイラン系メディアのウェブサイトと、イエメンのフーシ派などのイランに関連するグループのサイトを押収したという。

 イランのアラビア語版「Al-Alam TV」は、テレグラムチャンネルで「米国当局がAl-Alam TVのウェブサイトを閉鎖した」ことを報告した。

 米国の検察当局は10月、イラン革命防衛隊(Iran's Revolutionary Guard Corps, IRGC)が世界中に政治的偽情報を広めるキャンペーンに使用したとするウェブドメインのネットワークを押収した。

 司法省はこれまでに、IRGCが米国、欧州、中東、東南アジアの視聴者を対象とした独立メディアを装って使用していた92のドメインを掌握したと発表している。