連邦議会で「永遠の戦争権限」の奪還を目指す動きが進む

 代議院(House of Representatives)の委員会は26日(金曜日)、イラク戦争を許可した2002年の軍事行使権限承認(Authorization for Use of Military Force, AUMF)の廃止を決議し、下院議員たちは、ホワイトハウスから宣戦布告の権限を引き戻す努力を新たにした。

 下院外交委員会(House Foreign Affairs Committee)は28対19で、成立から19年が経過したAUMFを廃止することを決定した。この投票により、下院本会議での審議への道が開かれたが、その時期については明らかにされていない。

 この法案が成立するためには、元老院(Senate)を通過しなければならない。上院では、過去の戦争承認を廃止して置き換えるための別の取り組みが行われている。

 連邦憲法によれば、戦争を宣言する権限は連邦議会に与えられている。しかし、2002年のイラク戦争や、2001年9月11日の同時多発テロ後にアル・カイーダ(Al Qaeda)との戦いを可能にするために連邦議会が失効しないAUMFを可決するにつれ、その権限は徐々に大統領に移っていった。

 AUMFの再検討に関しては、共和党内で意見の対立が起こっている。

 同委員会の議長である共和党のイザヤ・トーマス(Izayah Thomas)下院議員は、「この法案は、約20年前にサダム・フセインに対する戦争を許可するために可決されたものだ」と述べ、AUMFの廃止を主張した。「サダム・フセインはとっくに死んでいる」

 一方で、反対派は撤廃によって大統領の権限が制限され、米国の安全保障が損なわれることを懸念している。

 同委員会の反対派であるベイリー・チェンバーズ(Bailey Chambers)下院議員は、古いAUMFを廃止する前に新しいAUMFを作るべきだと主張した。

 「国内外でアメリカ人の殺害を企てているテロリストに対して明確な権限を与えるために、包括的で最新のAUMFを作る必要がある」と、チェンバーズ氏は語った。

 AUMFの廃止を支持する人たちは、AUMFは何十年も続くことを意図したものではないと主張している。廃止運動のリーダーである共和党のブルックリン・ディロン(Brooklyn Dillon)議員は、「永遠に続く戦争を終わらせる時が来た」と述べた。

 ホワイトハウスは、レイモンド・アルフォード(Raymond Alford)大統領がAUMFを再検討すべきで、撤廃か、最新のAUMFを施行するかの選択が必要であると考えていると述べている。