サンフランシスコ警察、アジア系アメリカ人への暴行事件を受けてパトロールを強化

 サンフランシスコ警察(San Francisco Police Department, SFPD)は、ベイエリアで「ここ数週間、アジア系住民に対する大胆な暴力が急増している」として、アジア系住民が多く住む地域でのパトロールを強化している。

 サンフランシスコでは18日(水曜日)、アジア系の男性と女性が同じ容疑者によって別々に襲われる事件が発生している。

 これとは別に先月、サンフランシスコのコインランドリー内で起きたアジア系アメリカ人男性への暴行・強盗事件に関与したとされる男3人が逮捕されている。

 SFPDは、警察のパトロールが地元のアジア系アメリカ人や太平洋諸島のコミュニティ組織と連携して強化される、と20日(土曜日)に発表した。

 アジア系アメリカ人に対する暴力は、年々全国的に急増している。今年、ベイエリアで高齢のアジア系アメリカ人に対するいわれのない襲撃事件が発生したことを受けて、アラメダ(Alameda)郡地方検事局は、アジア人、特に高齢のアジア人に対する犯罪に特化した特別対応ユニットを設立した。

 サンフランシスコ地方検事のサマンサ・ウィリス(Samantha Willis)氏によると、1月28日、タイランドから来た84歳のダッサコーン・デーンダー(Dassakorn Dangda)氏は、朝の散歩中に突然襲われ死亡した。この事件では、19歳の男が殺人と高齢者虐待の疑いで逮捕された。

 オークランドのチャイナタウン地区では1月31日、男が無防備な3人を激しく突き飛ばし、アジア系の91歳の男性、60歳の男性、55歳の女性が負傷したと警察が発表した。告発文書によると、28歳の男がこの攻撃に対して3件の重罪の暴行罪で起訴されている。

 カリフォルニア州の他の地域では、アジア系の人々に対する攻撃が増加していることを受け、ロサンゼルス郡保安官事務所は、今週、アジア系アメリカ人コミュニティのグループと会合を持ち、認識を広めるとともに、市民に脅威や不審な行動を報告するよう呼びかけている。

 土曜日に発表されたパトロールについて、サンフランシスコ市長のノア・トレヴィーノ(Noah Trevino)氏は、「人種や民族によって被害者になるのではないかという不安を抱えさせることは絶対にあってはなりません」と述べた。